概要
12月4日に創設された国立歴史博物館は、台湾戦後に設立された最初の国立博物館です。博物館は国宝や重要な古美術品の収蔵品、歴史的な建物、植物園の先史時代の遺跡内に位置することから、多様な文化的資産を形成しています。
この博物館は、植物園の蓮池のそばに長年立っている、赤い壁と緑の屋根瓦が特徴的なランドマークです。史博館の建物は台湾の日本時代にまで遡り、戦後の増改築により、博物館は次第に中華ネオクラシック様式建築（別名「宮殿様式建築」）のスタイルに変わっていきました。
この展覧会は、史博館建物の改装の進化を追跡し、博物館の歴史における重要な変化や出来事を調査します。建築の特徴や構成の詳細に焦点を当て、建物内部のあまり知られていない特徴を明らかにし、百年の間に新旧が融合した博物館デザインの意義を示しています。

第1ユニット 物語序曲：予期せぬ新しい発見
1955年、国立歴史博物館は国立歴史美術品博物館として創設されました。博物館は、植物園内にある2階建ての和風木造建築に収容されていました。
2019年、史博館は修復と再利用プロジェクトを始動しました。工程チームは建物の秘匿された空間で予想外の建築要素や様式を発見し、以前の修復の痕跡が残っていることが確認されました、歴史的建造物を守る精神を持ち、施工プロセスで発見された遺構や残骸を記録し整理しました。そして、歴史文献や画像などの資料を使用して、それぞれの遺構を比較検証しました。この作業を通じて、施工設計を変更する決定を下し、新たに発見された遺構を現地で展示する形で保存することにしました。

第2ユニット 最初から: 史博建築の過去と現在
史博館の建築構造には異なるスタイルの遺構があり、これは百年にわたる多くの増改築に由来しています。そして、この建物の基礎を築いたのは、日治時代の大正年間に建造された台灣勸業共進会「迎賓館」です。
1916年、台湾総督府は台湾の治台20年を祝し、産業の発展を促進するために、民間の力も結集して初の大規模な展示会である「台灣勸業共進会」を開催しました。同年、共進会の第二会場としての贅沢な接待所である「迎賓館」も正式に完成しました。展示が終了すると、この木造の2階建ての建物は「商品陳列館」として利用され、その後総督府營繕課辦公室に変更されました。
第二次世界大戦が終結すると、中華民国政府は植物園周辺に南海学園を設立しました。1955年には、この建物を使用して「国立歴史文物美術館」が設立され、翌1957年には「国立歴史博物館」と改名されました。その後、展示スペースの要求を満たすために、この建物は外観の変更や一部の改修を繰り返し、今日の赤い壁と緑の屋根瓦の姿になりました。

第3ユニット ディテールに迫る：史博建築の美学的語彙
史博館は運営が一世紀以上にわたり、空間の老朽化や動線の混雑などの課題に直面していました。2019年、史博館は「修復及再利用工程」を開始し、構造の強化や機能の改善だけでなく、空間の開放性も強化しました。周囲の環境や一般市民との相互作用を増やすために、壁を取り払った博物館を作り上げ、そして「想想歷史」（歴史を考える）公共アートプロジェクトを開始し、人々の参加を促進し、徐々に公共アート作品を形成しています。史博館は持続可能な発展の精神を掲げ、生態環境に配慮した工法を使用して壁の彩繪や屋根の修復を行うだけでなく、古い建材の再利用にも力を入れ、修復プロセスで取り外された古い瓦や大理石などの建材に新しい命を吹き込むための創造的なデザインを実現し、歴史の保存と修復工程の両立を模索しています。 戦後の年月における増改築によって形成された中華古典様式は、史博館の建築形態が外から内へ、上から下へと豊かな中式建築の装飾文化を持つ独特の文化的な内涵を有しています。このユニットでは、建築学者である李乾朗教授の素晴らしい絵画と共に、建築の細部を近くで鑑賞し、歴史の深みを味わうために皆さんを招待します。