十九世紀中葉以降、パリは世界のアートの首都として浮上し、世界中からアーティストを引き寄せました。多くのアジアのアーティストがフランスでの学びを夢見ました。1921年、常玉は勤工儉学運動を通じてパリに到着し、フランスにおける最初の中国人芸術家世代の一員に加わりました。彼は1900年から1960年にかけて活動した国際的なアーティストの集団であるエコール・ド・パリ（パリ派）の一員となりました。その中で、日本人アーティストの藤田嗣治は最も有名なアジア人メンバーであり、しばしば常玉と比較されました。

1930年頃、日本統治時代には、台湾の先駆的なアーティストである陳清汾、顏水龍、劉啟祥、楊三郎の4人が異なる状況下で日本で学び、その後フランスへと留学しました。第二次世界大戦後、「留仏三剣客」と呼ばれる第三世代の留仏アーティスト、呉冠中、趙無極、朱德群は戦後のフランスのアートシーンに融合し、彼らは常玉とも友人でした。常玉とほぼ同時期にフランスに到着した潘玉良と、第二世代の留仏アーティストである袁樞真は、留学した女性アーティストの中でも希少な存在でした。最後に、常玉の同郷の席德進は1963年にフランスへ旅行し、1966年に台湾へ帰国する際、空港で常玉と別れを交わしたが、それが最後の別れとなりました。留仏ブームは徐々に衰え、常玉の人生は三世代の人々とその物語をつなぎました。
これらのアーティストの経験と作品は、大時代の下でのアーティストの流動と移住だけでなく、アジアのアート教育の「西洋化」、文化衝撃に直面した際のアーティストたちの選択と戦略をも証明しています。一方、パリは多くの留仏アーティストがもたらした才能により、「パリ派」の伝説の中心となりました。

国立歴史博物館は1968年に教育部から常玉の油絵42点を受け取って以来、追加の配分と購入を通じて現在は合計52点の常玉の作品を所有しています。1978年から2017年まで、本館は常玉の作品展を6回開催しました。本館の再オープンに伴い、本展覧会は20世紀初頭から中期にかけての台湾、日本、中国、フランスの美術界の交流の文脈に焦点を当て、常玉および他の旅仏アーティストの作品を展示することで、観客たちに常玉および台湾の現代アート研究の新たな段階を切り開き、この歴史が育んだ芸術交流と革新を深く理解し、評価してもらうことを目指します。