企画チームは、ハンセン病療養所・楽生院の住人14人の生命の物語に因んだ生活用品を選び、記念の画像とともに展示しました。展示の内容は三つのテーマに分かれ、年表と紹介、「春、夏、秋、冬」と「生命の河」で振り返る楽生院の歴史、院内建築の模型と石碑の展示を通じて、その「収容施設であるとともに、家でもある」とのイメージを伝えました。住人の物語と提供された品物を通して、一般に知られることのなかった生活の一面を伝えました。楊仁佐監督が撮影したショートフィルムも、現場で放映されました。
本展の展示場である女希望之家は、1957年に建設され、当時はハンセン病の治癒を受けた患者が短期間居住する中継の家で、特別な意義を備えています。本展では、これまでと異なる角度から住人のリアルな生命の物語を表現し、多くの住人が逆境の中で新生を模索し、苦悶のなか幸福を追求していたことを紹介しました。そして住人たちの喜怒哀楽や涙や希望を紹介することで、一般に知られることのなかった院内生活の一面を社会の人々に理解してもらいました。